友人や会社の方に誘われて初めて登山することになったけど、どんな服装をしていけばいいの?
と登山初心者の方は必ず疑問に思う内容かと思います。
ここでは初心者向けの山登りの服装についてまとめていますので、参考にしながら登山服を選んでくださいね^^
目次
登山初心者向け服装の基本知識
初めて山登りするけど私服ではダメなの?という質問をよくききますが、あくまでも初心者向けの低山に限っては問題ない場合があります。
ただし、それなりの標高のある山を登る際にはしっかりとした服装でないと危険です。
下手をすれば命すら危うい為、服装は登山にとって非常に重要な項目です。
服装の基本知識とは
山は我々が住む平地と違って朝晩と日中の気温の差が大きいです。
また天候も変わりやすく、日差しや風の影響も強く、平地よりも体温調整を徹底する必要があります。
その為、登山用の服装はシーズンによって機能を使い分けなくてはなりません。
例えば夏場の暑いときに登山する場合は汗が早く乾く速乾性が求められますし、寒いときは保温性が高いものが必要になります。
通常の私服では体温調節が難しい場合があるので、登山に適した服装が大切になるのです。
体温調節の基本はレイヤリング(重ね着)
登山の服装は重ね着をして体温調節することが基本です。
標高が高くなるほど気温は下がり、高さ100m毎に気温が0.5度~0.6度下がります。
すなわち標高の高い山にチャレンジする場合は上に登るほど寒くなるのです。
暑いからといって薄着で登っていくと山頂近くでは肌寒いというケースが発生します。
そんなことにならない様に服を重ね着しておき「暑い場合は脱ぐ」「寒い時は着る」という行動を臨機応援に繰り返します。
この重ね着をレイヤリングと呼びます。
このレイヤリングは主に3枚のウェアで構成するのが基本です。
- ベースレイヤー
- ミドルレイヤー
- アウターレイヤー
それでは各レイヤーの役割についてご紹介したいと思います。
ベースレイヤー
ベースレイヤーは直接肌に触れる「肌着」となる部分なので3つのレイヤーの中で最も重要なものです。
どうしても登山服といえばアウターレイヤーとなる目に見える服装に目がいきがちですが、登山する上で最も重要な役割を果たすのはベースレイヤーです。
登山では夏場はもちろんのこと冬場でも登っている最中はかなりの汗をかいてしまいます。
この汗は蒸発する際に皮膚表面の体温を奪っていく性質があります。
体温が奪われると低体温症になる可能性がありますので、かいた汗をベースレイヤーで素早く吸収して外に排出していく必要があるのです。
その為、ベースレイヤーに求められる機能として速乾性能が非常に重要になります。
ミドルレイヤー
こちらはベースレイヤーの上に着用するウェアになります。
ミドルレイヤーの役割は体温を保つ為の保温力が重要になります。
また汗や湿気を外部に逃がす為の通気性や透湿性も求められます。
その他にも風雨から身を守る服などが存在するなど、ミドルレイヤーはベースレイヤーと比べる様々な性能の服があるので、登山する場所と時期によって使い分けることが必要になります。
アウターレイヤー
アウターレイヤーの役割は風雨から身を守る為、防風防雨性能が重要になります。
また転倒などのアクシデントから身を守る為に丈夫で耐摩耗性も持ち合わせている必要があります。
他にもベースレイヤーやミドルレイヤーから発散された汗を更に外へ発散させる為透湿性も必要になります。
レイヤリングのまとめ
- 登山の服装は重ね着が基本
- 気温によって脱いだり着たりを繰り返し体温調節すること
- ベースレイヤーは速乾性が重要
- ミドルレイヤーは保温性が重要
- ウターレイヤーは防風防雨性が重要
- 全レイヤーを通して汗を外に排出する為の透湿性が重要
パンツ
ウェアの次は下半身に着用するズボンについてです。
ズボンの最大の役割は登山での行動に支障がない様、もも上げや屈伸をしても突っ張らない運動性が重要です。
また、ウェアと同様に速乾性や透湿性、また怪我から身を守る耐摩耗性も必要になります。
足を怪我から守るという観点から考えるとハーフパンツよりもロングパンツの方がおすすめです。
しかしハーフパンツの方が動きやすい事は間違いないので、その場合は速乾性が高いタイツを履いた上でハーフパンツを履く様にしましょう。
登山靴
個人的には登山用品の中で最も重要だと考えているのが、この登山靴です。
なぜなら登山といえば長時間歩くことが前提となりますので、足への負担は非常に大きいものになります。
平地を歩く程度ならばスニーカーで良いでしょうが、登山となると足が疲れにくい靴が必要になります。
この登山靴にもウェアの様に3種類のタイプが存在します。
ハイカット
ハイカットの特徴は靴がくるぶしまで入る程高さがある靴になるので、しっかりと足首が固定され足場の悪い登山道での足の疲れの負担を軽減してくれます。
ただし、登山初心者の方は履き慣れないタイプの靴になるので慣れるまでは歩きにくさを感じるかもしれません。
ミドルカット
ハイカットほどではありませんが、足首をほどよく固定しつつ、可動域が広いので動きやすいのが特長です。
岩場や起伏が比較的少ない山に登る際におすすめのタイプになります。
ローカット
普段履いているスニーカーに近い形状をしている為、初心者の方が最も履きやすい靴になるかと思います。
ただし、普通のスニーカーと違ってグリップ力の強いソールを使用している為、足への負担を軽減してくれます。
舗装された道や低山へのトレッキングに向いた靴になりますので、初心者の方におすすめできる靴です。
その代わり、ハイカットの様に足首の保護がない為、岩場や起伏が多い山には向いていませんので注意が必要です。
靴下
地味に思うかもしれませんが靴下選びも足への負担を考えると重要なアイテムになります。
厚手でクッション性が高い靴下は長時間の登山からくる靴擦れを防ぎ、足への負担を軽減してくれます。
また防臭性と速乾性が高いと靴を脱いだ際の嫌な臭いを軽減してくれるので、特に女性の方にはおすすめです。
よく休憩中に靴を脱いだりするとすごい臭いが発生して恥ずかしい思いをしたという声をききますので、こういった機能がある靴下選びも重要かもしれません。
靴下はウェアや登山靴と比べると圧倒的にコストが安く、足への効果も高いことから、個人的にはコストパフォーマンスが最も高いアイテムだと思います。
初心者の方は靴下だけでも登山専門店で購入しても良いかとおもいます。
登山初心者向け服装のおすすめ春夏秋冬別のまとめ
ここでは登山の時期に合わせたミドルレイヤーを紹介致します。
春や秋
春や秋の気温は意外と低くなりがちですので全体的に保温性能が高めのものを選ぶと良いでしょう。
特に適度な保温性を保ちつつ動きやすさも併せ持ったフリースがおすすめになります。
夏
夏はかいた汗を素早く外へ排出する速乾性を重視しましょう。
また登山中は暑さと運動による熱から汗を大量にかいてしまう為、無理に重ね着はせずベースレイヤーだけでも問題ありません。
ただし、休憩中には熱量が下がる為、すぐにミドルを着込んで体温を調節しましょう。
その際のミドルは速乾性が高いパーカータイプがおすすめです。
また夏場はウェア以外でもしっかりした暑さ対策が必要になりますので注意が必要になります。
冬
冬の服装に保温性が重要になる一方で速乾性も同じくらい重要になります。
前述しましたが、速乾性が低いと汗が体温を奪い低体温症の原因になりえます。
その為、冬場は保温と速乾の両方に優れたウェアが必要になります。
ダウンは寒さを遮断し、内部で暖かい空気を溜め込む為、ミドルウェアの中で最も高い保温力がありますので、冬場の登山に向いています。
また軽量でコンパクトに収納できる点もメリットです。
まとめ
- 登山の服装は重ね着が基本
- 気温によって脱いだり着たりを繰り返し体温調節すること
- ベースレイヤーは速乾性が重要
- ミドルレイヤーは保温性が重要
- アウターレイヤーは防風防雨性が重要
- 全レイヤーを通して汗を外に排出する為の透湿性が重要
- 春や秋のミドルはフリースがおすすめ
- 夏のミドルはパーカーがおすすめ
- 冬のミドルはダウンがおすすめ
登山初心者の方が最初に悩むのはこの服装選びだと思います。
場所と時期に適した服装をとることでグッと山登りが楽にそして楽しくなりますので、是非参考にして頂ければと思います。
また初心者の方は最初は低山から初めて体を慣らしたりしながら経験をつむことをおすすめします。
初心者の方向きのおすすめの山をまとめた記事もあるので、良かったら参考にして下さいね。